『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Case4 「ファミリービジネス」あらすじと感想 ネタバレ注意!

※ネタバレしています。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』
Case4 「ファミリービジネス」のあらすじ

マーガレット王女が新型ミサイルのお披露目会に出席するため武器工場ブリティッシュ社にやって来る。 その直後、工場ではパーシー・マレソンの遺体が発見される。

パーシー・マレソンは偽名で本名はユースタス・ケンドリック。 ユースタス・ケンドリックは、12年前に失踪し今も行方不明の恋人のオリーブを殺したと疑われ、南アフリカに逃亡していた。しかし、母親の病気で戻り、無実を証明しようと工場に潜入していたのだった。

オリーブはブルーム邸の隣にある農業カレッジに通っていた。 ユースタス・ケンドリックは工場を経営するブルーム一家を疑い、マーガレット王女が来て、一家がそろう日を狙い、銃で脅して、自白させる計画だった。

しかし、オリーブを殺した真犯人は工場の労働組合の長トレースパーセル。 トレースパーセルが真犯人だと知らないケンドリックは、協力を得ようと計画を話し、トレースパーセルに殺されてしまったのだった。

以前GPOで働いていたトレースパーセルは電柱の絶縁体を交換中にオリーブを見かけ、襲って絞殺。 オリーブにフラれて取り乱していた兄が犯人だと思ったリチャード・ブルームは遺体を埋めていた。

トレースパーセルはケンドリック殺害の罪をなすりつけるため、レニー・フロストを事故に見せかけて感電死させる。 モースはニュース映画を見て、直前までジャケットを着ていたにも関わらずマーガレット王女訪問時にトレースパーセルがジャケットを着ていないことに気づく。

トレースパーセルはケンドリック殺害時に塗ったばかりの白いペンキがジャケットについてしまい、そのジャケットを工場のどこかに隠していた。 モースは警察だらけでジャケットを工場から持ち出す機会はなかったと推理。 ハッタリをかまし、ジャケットを隠した場所を言わせるのだった。

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Case3「殺しのフーガ」前回のあらすじと感想はこちら≫

Case4 「ファミリービジネス」の感想

モースの学生時代の友人アリスが登場。 ヘンリー・ブルーム会長の秘書で遺体の第一発見者となったアリスと7年ぶりに再会。モースはすっかり忘れていたようです。

モースが学生時代に付き合っていたスーザンの向かいに住んでいて、Case1「ある晴れた日に」に登場したアレックス・リースも一緒に4人で出かけたこともあるそう。ダブルデートをしていたようですね。

昔から浮いていたというモース。モースは昔 スーザンに手酷くフラれてしまったようですね。それでも、まだスーザンを愛しているモース。スーザンとの失恋がまだ尾を引いているよう。 アリスは当時からモースのことが好きだったらしく猛アタック。いつも嫌みばかり言ってくる同僚のジェイクスも、アリスとの様子を見てモノにできるとアドバイス。 それにしても、モテるモース!

アリスはスーザンに似せて髪もアップにし、赤いワンピースにドレスアップ。 なんとモースの部屋にもやって来ました!

そして、一夜を共に過ごしたモースとアリスでしたが、アリスは2番手なのは嫌だと思い知り、モースから離れていってしまうのでした。 その後、アリスはブルーム一家のジョニーと付き合うことにしたようですね。切り替えが早い。2人を見るモースは悲し気…。 モースはスーザンを忘れて、次に進むことができるのでしょうか?

アリスを演じているのは、 メイミー・マッコイ(Maimie McCoy)。『マスケティアーズ パリの四銃士』ではスパイのミレディ役で出演しています。

不機嫌なブライト警視正

マーガレット王女が来るということで、ブライト警視正は気合い十分。マーガレット王女はエリザベス女王の妹にあたります。

警備に余念がないブライト警視正。無事にミサイルの発表会が終わり、王女にお言葉をかけられたとご満悦。 しかし、そこに水を差す出来事が!  警備が厳重だったはずの工場で殺人事件が発生!

ブライト警視正は一気に御機嫌斜め…。 捜査が進まず、モースやジェイクスに八つ当たり。

同情の余地があるのは、ブライト警視正も上から圧力をかけられていること。 工場で製造されているミサイル売買は国に関わる重要事項。 勤続34年のブライト警視正のクビもかかることに。

しかし、ブライト警視正の不機嫌が事件解決に役立つことに。ブライト警視正に押されて白いペンキがべっとりついてしまったモース。 犯人のジャケットにも白いペンキがついたことに気づくきっかけになりました。

真犯人はトレースパーセル

ブルーム一家の1人が犯人だと疑っていましたが、犯人はトレースパーセル。

12年前のエリザベス女王の戴冠式の日、トレースパーセルは電柱でセラミックの絶縁体を修理。オリーブの遺体のそばに埋まっていたかけらは絶縁体でした。

トレースパーセルが働いていたGPO(General Post Office)は昔 英国で郵政事業をしており、通信事業も手がけていたそうです。

トレースパーセルはたまたま見かけたオリーブを自分の欲望を満たすために襲い、殺害していました。 おそろしいレイプ魔だったトレースパーセルは、オリーブ殺害の真相を隠すため、ケンドリックやレニーも次々と殺害。ケンドリックは信用した相手が悪かったですね。

死んだ兄がずっと犯人だと思っていたリチャード。死体を隠していた罪は重い…。 母親のノーラは強烈。言葉を凶器にして手当たり次第に人を傷つけるノーラ。こういう人、結構いますね…。

クリブ&コーの靴からパーシー・マレソンの本名を探り出したモース。 靴を見ただけでどんな人に作ったのか思い出せてしまう靴職人さんがすごいですね。

ケンドリックはブルーム一家に近づくため、経営側のスパイに。多発する労災事故にセクハラ…。 労災事故はトレースパーセルに利用され、 レニーは感電死させられてしまいました。 新会長はエステラに決定。テキパキと仕事を始めたエステラは事故やセクハラを解決してくれるのでしょうか…。

ちなみに印象的なブルーム邸は「The Homewood」と呼ばれ、ナショナル・トラストに歴史的な建物として保護されています。『刑事モース~オックスフォード事件簿~』の他に、『ミス・マープル6 終わりなき夜に生まれつく』も撮影されたことがあるそうですよ。

「不実なアルビオン」

感電死させられたレニーはハシミテ王国ナビール皇太子のスパイ。ハシミテとはヨルダンのこと。

「不実なアルビオン」と評し、イギリスは信用できないという皇太子。

「アルビオン」とはラテン語の白いを意味する言葉で、ドーバー海峡の白い石灰岩の絶壁からイギリスは「アルビオン」と呼ばれることに。

17世紀ごろ植民地支配の覇者になるなどイギリスは1人勝ちとなり、軍事的・外交的に他国を出し抜くイギリスの戦略を揶揄してイギリスは「不実のアルビオン」と呼ばれるようになったそうです。

事件は迷宮入りしそうでしたが、モースとサーズデイ警部補が協力して無事に解決。 事件がうやむやになり、憤るモースにサーズデイ警部補は「答えの出ない問いもある。無理やりでも納得するしかない」と助言。

このまま迷宮入りかと思いきや、最後に一気に解決。ストレンジも協力して、ペンキのついたジャケットを見つけたとハッタリを言い、自白に追い込み、犯人逮捕! ニュース映画にはストレンジもちょっとだけ映っていました。

事件は無事に解決し、サーズデイ警部補はモースの手柄だということを上層部に伝えて欲しいとブライト警視正にお願い。いい上司…。

土曜日ということで、サンドウィッチはなし! 事件が解決し、モースとサーズデイ警部補はどこかへ食事に向かうのでした。

モースの女性関係が描かれた今回ですが、『主任警部モース』では主人公のモース警部はかなりの女好きとして描かれているそう。 今回、原作者のコリン・デクスターは40分ごろユースタス・ケンドリックのいとこに話を聞いて、立ち去るモースの後ろの方に映っています。

Case4 「ファミリービジネス」で流れた曲

  • 「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」- ヴェルディのオペラ『ナブッコ』より
  • 「私が大地に横たわるとき」- ヘンリー・パーセルのオペラ『ディドとエネアス』より
 

『刑事モース~オックスフォード事件簿~』の登場人物・キャストについてはこちらへ>>

海外ドラマの動画配信サービス
スポンサーリンク

 
この記事をシェアする